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一瀬健作(いちのせ けんさく)

株式会社ペッパーフードサービス代表取締役社長CEO。

1972年6月26日生まれで、創業者である一瀬邦夫氏の長男。

 

経歴:

1993年4月:静岡県を拠点にハンバーグ店を展開するさわやか株式会社に入社。
1999年11月:株式会社ペッパーフードサービスに入社し、ペッパーランチの店長などを務める。
2005年3月:取締役ペッパーランチ運営部長に就任。
2012年1月:取締役管理本部長兼CFO(最高財務責任者)に昇格。
2019年1月:代表取締役副社長管理本部長兼CFOに就任。
2022年8月10日:父・邦夫氏の後任として代表取締役社長CEOに就任。 

社長就任後は、業績回復と新たな業態開発に注力しています。2023年12月には、和牛や国産牛を使用した新業態「和牛ステーキ和邦」を両国にオープンし、自ら厨房に立つなど、現場第一の姿勢を貫いています。 また、海外展開にも積極的で、2022年12月にフィリピン1号店をオープンし、2023年には2号店、3号店と出店を拡大しています。 

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私は、株式会社ペッパーフードサービスの代表取締役社長をしている一瀬健作です。

 

会社の主力ブランドである「いきなり!ステーキ」は、2024年10月の時点で、国内176店舗、海外5店舗を展開しています。「いきなり!ステーキ」の社長と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのは、創業者の父・一瀬邦夫のほうだと思います。各店舗の入り口に、コック姿の父が笑顔でステー キ肉を切っている写真が飾られていますから、来店したことがない方も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

父は、小さなレストランの店主から始まり、たった一人で会社を大きくしました。ヒット商品も次々と生み出してきました。僕はといえば、いわゆる2世社長です。父の会社を引き継ぎましたが、正直、まだ何も成し遂げてはいません。「こんな僕が、自分の本なんて出していいのだろうか」 久々に顔を合わせた父に、つい本音をこぼしてしまいました。

すると、すでに自分の本を何冊も出版している父は、何でもないことのように言いました。

「いいじゃん。自信持って出せよ」

背中を押してくれたのは、他の誰でもない、父でした。

プロローグでチラッとお見せした場面に至るまで、息子として、部下として、父との長い道のりがありました。

この本は、株式会社ペッパーフードサービスの繁栄と衰退、そして再生のストーリーであると同時に、父と息子の物語なのです。

「一瀬健作はどういう人間なのか」を知っていただくために、僕自身の駄目な部分も含めて、かなり赤裸々に綴ったつもりです。というか、僕の人生の前半は駄目なところばかりなのです……。

父から逃げまくった少年期の逃亡生活、価値観が変わった修業時代、心を入れ替えたと思ったら、また逃亡──。 「なんだこいつは、甘ったれたボンボンじゃないか」と言われそうですが、どうか皆さん、途中で読むのをやめないでください。後半になるにつれて、僕もなかなか頑張っているのです。

入社してからも、波乱万丈は続きます。ピンチが次々と襲いかかりました。食中毒 や新型コロナウイルス感染拡大、そして、いままで父が出した本でも語られたことが なかった"心斎橋事件"についても、僕の視点で振り返っています。

 

「いきなり!ステーキ」がジェットコースターのように上昇し、猛スピードで降下していった。

その時、社内では何が起こっていたのか。父と僕の間で、どんな出来事があっ たのか──。

 

そんなストーリーがあって、ついに、社長交代劇の幕が上がります。

 

父のようなカリスマ性もなく、言ってみれば凡人気質の僕が、いろいろなことを乗り越えることができたのは、人との出会いに恵まれてきたからでした。やはり、何よりも大切なのは「人の縁」です。家族、先生や友人、従業員や社員の皆さんに、知らず知らずのうちに支えられ、励まされてきました。若いころから、「なぜか僕は人から好かれるなあ」なんてぼんやりと生きてきました。でも考えてみると、礼儀に厳しかった父が「人に感謝すること」を徹底して教えてくれたおかげなのだろうと思います。

これまで会社の経営を立て直すためにはどうしたらいいか、僕はひたすら考えてきました。でも、会社のトップに立った僕が、いま考えていることは、「人」についてです。

 

僕には経営者としての理念があります。

それは「従業員の幸せなくして、お客様の幸せはない」です。

 

お客様に愛される店にするためには、まずは従業員たちが愛情を持てる店にしなければなりません。

飲食業は大変な仕事です。でも、お客様の笑顔を見た時の喜びや達成感には、かえがたいものがある。働きがいのある仕事でもあります。

 

僕はレストランを経営する父のもとに生まれ、ずっと飲食業界で生きてきました。「どうして飲食業で働くのか」なんて疑問を持つことすらありませんでした。

 

だから、「どうすれば従業員がここで働きたいと思える店になるのか」を、必死で考えています。

ある時、社員旅行でディズニーランドへ遊びに行った際に、スタッフのことを“キャスト”と呼んでいることに気づきました。

それ以降、会社でも、スタッフのことを“キャスト”と呼ぶことにしています。料理の説明やオペレーションを、ただマニュアル通りにこなすだけでは面白くありません。 自分が“お客様に幸せを提供するパフォーマー”になった意識で、楽しく仕事に取り組んでもらいたいのです。もう一つ、キャストそれぞれが付けている名札があります。

 

これは父が「各自が責任感を持って仕事をするように」と言って始めたものでした。僕は、さらに一歩前に出て、お客様とのコミュニケーションツールにしたいと思いました。そこで、名札に「趣味」「夢」「好物」の欄を加えました。

 

キャストの個性をきっかけにして、お客様との会話が始まる。お客様とのコミュニケーションがあれば、きっと働くモチベーションも上がるはずです。そうすれば、だんだん自分が働く店を好きになっていく……そんなプラスの効果があったらいいな、と期待しています。みなさまも、共通の趣味などがあるキャストを見つけたら、ぜひ声をかけてみてください。

 

ちなみに、僕は社長に就任してから、好物の欄に急いで「ステーキ」と書き足しました。 この本を、もし多くの人に読んでいただけたなら、大変うれしいです。でも僕が、一番読んでもらいたいのは、会社の従業員や社員たちです。「自分が働く会社のトップは、こんなことを考えているのか」そんなふうに、笑ったり、少し自分と重ねてみたりしながら、読み進めてもらえたらいいなと思います。

 

それでは、ぜひ、最後のエピローグまでお付き合いください。

続きは、本文でご覧下さい​。

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